女王の海
チュニジアは紀元前9世紀末に、亡国の女王エリッサによって建国されました。
神話によればチュニジアに辿り着いたエリッサはこの地の王に「牛皮で覆えるだけの土地が欲しい」と交渉します。
王が承諾すると、彼女は牛皮を細かく切り刻み、1本の縄を拵えました。
そしてそれで覆えるだけの土地を獲得したのです。
その土地の名を「ビュルサの丘」と言います。
牛皮で覆えるだけの土地に人が集まり、やがて街ができました。
貿易を中心にして発展し、紀元前5世紀半ばには西地中海世界での覇権を確立しました。
チュニジアは大きな壁に立ちはだかる度に持ち前の商才で乗り越え、何度も西地中海世界の貿易の中心地として返り咲きました。
《女王の海》は海洋民族としての生き様に敬意を込めた作品です。