「繊維の女王」と呼ばれ、古来から多くの権力者を虜にしてきたシルク(絹)。
繊維の美しさや肌触りの良さから愛用する人も増えていますが、シルク(絹)そのもののお値段や、生地の繊細さからお手入れが難しいと思っていませんか?
毎日使うものに関しては都度クリーニングに出すわけにもいかないですし、ちょっとした汚れくらいなら自分で落としたいですよね。
そんなみなさんのために、今回は自宅でもできるお手入れ方法をご紹介します。
シルク (絹)の特徴
正しいお手入れ方法を知る前に、まずはシルク(絹)の特徴を理解しておきましょう!
上質な光沢としなやかなドレープが特徴で、蚕の繭を原料とする動物由来の天然繊維です。人間の肌や髪と同じタンパク質でできているため、低刺激で肌に優しい素材として知られています。
☑️ 滑らかな触感:シルク(絹)は非常に滑らかで肌触りの良い素材です。そのため、シルク製(絹製)の衣類や寝具は快適さや、肌への優しさを重視する方にぴったりです。
☑️ 優れた吸湿性と保温性:シルク(絹)の繊維は非常に軽量で、着心地が軽やかです。暖かい季節には涼しく、寒い季節には保温性があるため、年間を通して着ることができます。
☑️ 美しい光沢:シルク(絹)は独特の光沢を持っており、美しい輝きが特徴です。そのため、ドレスやフォーマルな衣装にも広く使用されます。
☑️ 高い強度:シルク(絹)の繊維はお手入れが難しいデリケートなものだと思われがちですが、実はかなり頑丈です。正しく取り扱えば、長期間使用することができます。
☑️ 天然繊維:シルク(絹)は動物性の天然繊維で蚕の繭から取られます。そのため、天然繊維の中でも高級品であり、地球に優しいエコフレンドリーな素材です。
☑️ アレルギー反応の少なさ:シルク(絹)は人間の肌や髪と同じタンパク質によって構成されているため、肌へのアレルギー反応が少ないとされており、敏感肌の人にも適しています。
このような化学繊維にはないメリットがたくさんある一方で、一般的にはお手入れが難しい素材だと考えられています。
なぜならシルク(絹)は水や熱に弱い素材で、お洗濯するとシミができたり縮んだりする可能性があるからです。
その上シワになりやすく、色落ちしやすいこともあり洗濯が難しいと言われていますが、お洗濯時のポイントさえ知っていれば簡単です。
お洗濯前の確認
シルク製品(絹製品)を洗濯する前に、必ず製品の「洗濯表示」をしっかり確認しましょう!
桶に水が入っているイラストの「手洗いOKマーク」がついていれば、洗濯しても良い製品です。
また○の中にアルファベットのPやFが書かれているマークは、それぞれドライクリーニングができるという表示です。
桶のイラストや○の中に何も書かれておらず大きく✖️が書いてある場合は、水洗いやドライクリーニングがNGという意味です。両方とも✖️の場合は最悪、洗濯自体を諦めなければなりません・・・
BYRSAMの製品は、基本的に手洗いOKです。
※Skilaの製品は洗剤を使用しないで手洗いすることを推奨しています。また、最初の数回は製造の都合上、染料が滲み出てしまいますが問題はございません。1枚1枚洗うようお願いいたします。
シルク (絹)をお洗濯する手順
それではシルク(絹)をお洗濯しましょう!
⓪使用する洗剤
シルク用洗剤などもありますが、市販されているおしゃれ着用洗剤でOKです。
おしゃれ着用ではない普通の洗剤は弱アルカリ性です。タンパク質でできたシルク(絹)を洗うと、素材そのものが劣化してしまいます。
旅行先で急に汚れてしまい、おしゃれ着用洗剤が用意できない時は髪を洗うためのシャンプーで代用OK。髪の毛もタンパク質でできているので、シルク(絹)の繊維を傷めることなく洗えます。
①色落ちテストを行う
洗剤を用意してさあシルク(絹)を洗おう!
と、言いたいところですがちょっとお待ちください。
手洗いOKマークがあっても、濡らすと色落ちや縮みが発生してしまうことがあります。
またコーディングなどの特殊加工があるものだとコーディング材が水に溶けてシミになったり、海外の染色シルク製品(絹製品)だと色止め加工が甘くて色落ちしたりしてしまう場合もあります。
洗濯OKだからといきなり全部を水に浸けてしまうとこれらが発生し、洗濯が失敗に終わることも・・・
そうならないためにも、必ず洗っても問題ないかテストしましょう。
1)目立たない箇所に洗剤を垂らしてから5分ほど待ちます。
2)5分経ったら白い布やタオル、ティッシュなどを使って洗剤を垂らした箇所を軽く叩きます。
3)色移りはないか、色や柄が滲んだり薄くなったりしていないかなどを確認します。テストを終えて問題ないことが確認できれば、手洗い可能です。
色移りが確認できた場合は、自宅での洗濯を諦めてクリーニング屋さんに持って行きましょう。
それではいよいよシルクのお洗濯方法をご説明します。
洗濯機で洗う方法もありますが、より長持ちさせるためには手洗いがおすすめです。
②洗濯液を作る
冷たすぎる水だと汚れが落ちず、熱すぎても色落ちの原因になってしまいます。
20度くらいの水を桶やボウルにはり、おしゃれ着用洗剤を溶かします。
洗剤の量は洗剤の表示に従いましょう。少し多めに作っておいた方が綺麗に洗い上がります。
※Skilaは洗濯液を使わずに水のみでお洗濯することを推奨しています。
③洗う
さっと洗ってさっと濯ぐのが肝心です。
シルク製品(絹製品)を裏返しにして、畳まずに両手でふわっと持ち、洗濯液の中を泳がせるよう左右に優しく振ります。これを3回繰り返します。
複数ある場合は1枚ずつ洗うようにしてください。
もし目立つ汚れがある場合はスポンジで軽くポンポンと叩きましょう。
⚠️ゴシゴシと擦るのは厳禁です。また、シルク(絹)は水に弱いので、長時間浸けるのもNGです。
④濯ぐ
桶から取り出すときは手のひらの中に丸めて、洗剤を取るように軽く水を切りましょう。
そうしたら桶の水を替えて、洗うときと同じ20度くらいの水をはります。
③と同じように水の中を泳がせ、水を取り替えながら3回濯いでいきます。
⑤脱水
手の平に丸めて軽く水を切ったら、シルク(絹)を振って伸ばし、広げたバスタオルの上に広げます。
製品同士が重ならないようにバスタオルに包んだら、その上から軽く押してタオルに水を吸わせて脱水を行います。
シルク(絹)は速乾性に優れているので、水分が残ってもシワにならず綺麗に乾きます!
⚠️当然ですが洗濯機での脱水はNGです!せっかくのシルク(絹)が全て台無しになってしまうので絶対に使わないでください。
⑥干す
形を整えて平干しネットの上に置き、直射日光の当たらない風通しの良い場所に干しましょう。
シルク(絹)は紫外線を吸収しますので、直射日光に当てすぎると変色してしまうことがあります。
⚠️洗濯バサミで吊るしたり、ハンガーにかけて干したりすると型崩れの原因になります。必ず平干しにしてください。
シルク(絹)の正しいアイロンがけ
シルク製品(絹製品)にアイロンをかけたい場合は、洗った後の濡れた状態の時にかけましょう。乾いた状態でかけるよりも失敗が少ないからです。
生乾きのシルク製品(絹製品)を裏返して当て布をし、中心から放射線状に大きく縁を描くようにかけましょう。
製品を回転させ、移動させながら4分の1ずつかけて行きます。アイロンの温度は必ず低温で行ってください。
乾いているシルク製品(絹製品)にアイロンをかける場合には、霧吹きなどで全体を湿らせてからアイロンをかけるようにしましょう。
まとめ
今回ご紹介したお洗濯方法であれば、家庭でも気軽にシルク製品(絹製品)を洗うことができます!
シルク製品(製品絹)は手洗いが鉄則。シルクの性質と洗濯表示マークをよく確認して、失敗のないようにお洗濯しましょう。
しかし、どうしても自信がない場合や絶対に失敗したくない場合は、クリーニング店にお願いするのが得策です。
これまでお手入れが心配でシルク製品(絹製品)の購入を躊躇っていた方も、ぜひシルク製品(絹製品)に親しんでいただきたいと思います!
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