みなさんこんにちは!
ハンニバルの忠臣担当の細川です!
気持ち的にはまだ2月なのですがもう3月ですね!
前回チュニジアへ行ったのが4月。その時はほとんど食いっぱぐれ、「チュニジアのレストランはそんなに私が嫌いなのか」と若干拗ねながら歩いていました。
でも実際のところチュニジア人はWelcome to Tunisiaで、単にラマダン期間だっただけのようです。
そう!ラマダン!
今回は、日本人があまり知らないイスラーム教について取り上げたいと思います!
Contents
1 .ラマダンって何?
ラマダンとは、イスラーム教の暦であるヒジュラ暦の9月を指します。
彼らにとって一年で最も重要な月で、この期間中に「断食」を行います。
ラマダン月はイスラーム教の聖典コーランが啓示された「聖なる月」です。そのため、ラマダン月にこの啓示を記念し、イスラームの創始者ムハンマドの苦難を追体験する行為として断食が行われます。
熱の入り方はキリスト教でいうところのクリスマスに近いかもしれません。
ラマダン月に行われる断食は、信仰告白・礼拝・施し・断食・巡礼のイスラーム五行の一つであり、イスラーム教徒が夜明けから日没までの間、食事や飲み物を断つことを意味します。
これは、信者が神とのつながりを深め、自己の精神を浄化するための時間と考えられています。
2 .大切なものを神に委ねる宗教
信仰は私たち日本人のように「なんとなく信じれば十分だ」というのではなく、「具体的な行動・動作を忠実に行わなけらばならない」とするのがイスラーム教の特徴です。
このようなあり方は日常生活の端々にわたり、文化のあり方にも深く関係しています。
とはいえ、ただ実践することが断食の目的ではありません。
確かに断食は聖典に記されたイスラーム教徒の義務の一つですが、みんなで同じ試練を同じ時期に共有することで、信仰をより深める目的を持ちます。
お金持ちだろうと貧乏人だろうと等しく空腹や渇きの辛さを味わうことで、恵まれない人々を思いやり、改めて平穏のありがたさに感謝し、より自身を清めようとする心を養うための実践なのです。
3 .ラマダンにおける断食について
いくら「自分を清めるため」と言っても断食は辛すぎィ!と思うかもしれません。年末年始に脱水症に苦しみ、平素より食べる量が多い私にとっては死活問題です。
断食する期間はラマダン月の30日間です。イスラームの暦で8月の日没後に新月が確認された時から始まり、29日後の新月が見えると終わります。
グレゴリオ暦の1日から31日までではなく、どのイスラームの国においても新月の観察によって決定されます。
とはいえ、自然の動きは読めないもの。
天候によって観察できない場合はずらしたり、白夜になる地域では近隣国にタイミングを合わせるなど調整するそうです。
月の動きに合わせるということは、毎年決まった日付に開催されるわけではありません。しかもイスラームの暦は閏年による帳尻合わせをしないため、1年が354日で毎年10日〜12日ずつズレていきます。そのため、ラマダンも毎年ズレていきます。
4 . 30日間全く食べちゃダメなの?
30日間も断食が続く!ということは!!!!!!!
30日間ずっと食べちゃいけないの・・・?
と思うかもしれません!
大丈夫!断食といってもその間全ての飲食が禁止されるわけではありません。
日の出から日没までが飲食禁止で、お天道様が眠っている間の飲食は許されています。
良かった!!
また、断食には免除措置があります。
例えば旅行中の人や重労働者、重病人や高齢者、妊婦産や生理中の女性、授乳中の女性や乳幼児などです。
ただし、旅行中の人や妊婦さんなど、あとで断食をやり直せる見込みがある人はやり直す必要があります。
マラソン大会を病欠したら、振替でマラソン大会分の距離を走らされた高校時代を思い出します。
母校のマラソン大会で女子は10km、男子は20km走らされ、もし病気で休んだりサボったりすると、近隣の運動公園を約50周くらい走らなければならなかったのです。
なので、断食をサボろうものなら暑さが厳しくなる時期にやり直し・・・
と考えるととても恐ろしくて眠れなくなりそうですぴえん
5 .ラマダンの過ごし方
断食期間は自身の浄化と弱者への思いやりを実践する期間なので、寄付を率先して行ったり、イスラーム寺院で講話やイベントが開催されたりします。
また暑い国での断食ですので、休業したり、時短したりする店も非常に多いです。
私も断食期間中にチュニジアへ渡航した際に、ラマダン仕様で終電終バスを逃して途方に暮れたり、楽しみにしてた遺跡に入れなかったり、食べ物を求めて閑散とした街を彷徨ったりしたものです。
かたや子供達にとっては長期休暇になったりするので、ある女の子は毎年ラマダンが楽しみだと言っていました。
6 .断食期間に何を食べる?
ラマダンの断食は、日没時に行われる「イフタール」と呼ばれる特別な食事で断食を破ります。まず水や栄養満点のデーツをつまみ、夜のお祈りを済ませます、
その後、今日の断食大変だったね〜と労いながら本格的な夕食をとる家庭が多いようです。
断食の期間中は、いつも以上に健康に気を使わなければなりません!
そんな断食の救世主であるデーツは滋養の高い食べ物で、消化の良い糖分が多く含まれていて、甘くて美味しい!しかもカロリーも高くて抗酸化物質も大量に含まれているため、エネルギー補給と飢餓からくるストレス解消の両面で効果を発揮します。
私もほぼ毎日デーツを摘んでいますが、罪悪感なく食べられるおやつです。
ただ、なんと・・・
最近は断食の反動で爆食いするイスラーム教徒が増えていて、ラマダン太りなるものが出てきているそうです。
7 . 2024年のラマダンはいつ?
今年のラマダンは3月10日に始まり、4月8日に終了するとされています。
前述した通り、ラマダンは新月の観察で決まるため、国や地域によって異なります。
そこで疑問が浮かびます。
観光客も断食しないといけないのでしょうか?
そんなことはありません!
一応、非イスラーム教徒は断食が免除されます。
しかし郷に入ったら郷に従うもの。イスラーム教徒の前で堂々とマックを食べない、コーラを飲まない等の配慮は必要です。
近年ではイスラーム過激派によるテロによって、イスラーム教=不寛容な宗教というイメージが定着したように思います。しかし実際には非イスラーム教徒には寛容な宗教であり、歴史的にも異なる宗教との共存を認めた宗教です。
確かに断食期間は昼間に飲食店がやっていなくて歯を食いしばったこともありますが、夜は盛大なお祭りを開いたり、寺院が特別なイベントを開いたりするのでラマダンならではの楽しみも数多くあります!
ぜひラマダン期間にイスラーム教の国へ渡航してみてください!
オススメはチュニジアです♡