あけましておめでとうございます!BYRSAM代表の細川です。
みなさん、今年の始まりはどのように過ごしましたか?
日本では多くの企業が12月28日から1月3日頃までお休みですよね。
でも実は、世界中の国が年末年始に長期休暇を取るわけではありません。それでは世界の大晦日・お正月事情について、ピックアップして見ていきましょう!
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1.お正月を祝うのはサンタクロース?! in ロシア
ロシア正教会の信者が多数を占めるロシアでは、クリスマスよりも新年のお祝いが大切にされています。新年が近づくと、「ヨールカ」と呼ばれるクリスマスツリーのようなものを作り「マロースおじいさん」というサンタクロースに似たおじいさんから子どもたちへプレゼントが配られます。
子ども達は12月31日の夕方に家族や友達とサラダやおつまみを食べ、大人たちはシャンパンを開けます。シャンパンを飲むときに新年のお願い事をし、元日0時に大統領の挨拶を聞いて寝る…。
そして早朝にツリーの下でプレゼントをあけるのが伝統的なロシアっ子のお正月です。
実はロシアではクリスマスを盛大に祝う習慣がないので、新年がクリスマスのような感覚なんだそう。
2.精霊がやってくる in スイス
国民の大半がキリスト教を信仰するスイスでは、クリスマスが終わった後はそのままお正月シーズンを迎えます。大晦日は家族や友人と過ごしたり、中には海外旅行に行く人も!
しかし、ある村では「ジルベスタークロイゼ」という行事が二日間にわたって行われます。
美・醜悪・自然のクロイゼ(精霊)が、それぞれ独特な衣装と仮面を見にまとい、鈴の音を鳴らし、民謡を歌いながら村を練り歩いてきます。古い年の悪霊を追い払い、新年が幸せに過ごせますようにとの思いが込められた、日本のなまはげや獅子舞にちょっと似た行事です。
3.12粒のブドウに願いを込める in スペイン
国民の多くがキリスト教を信仰するスペインでは、クリスマスを盛大に祝った分、お正月はちょっとハードスケジュールです!
有給を使い切ってしまった人は12月26日から12月31日まで全力で働いて、21時を過ぎてようやく家族や友人とディナー。
そして日付が変わるまで散々食べて、新年の幕開けと同時に鳴るハイペースの鐘の音に合わせて12粒のブドウを急いで食べる!「あけましておめでとう!」ともう一度乾杯したら、明け方まで飲んだり踊ったり。
そして朝。大晦日までしっかり働いて、明け方まで踊り狂ったスペイン人はのんびりと起きてのんびりと過ごし、そして1月2日からまた働き始めます。
意外とハードなお正月ですね…。
4.赤い下着を交換?!さすが愛の国 in イタリア
「赤い下着を着て大晦日を過ごすと幸運になる」
という言い伝えが古くからあるイタリアでは、今でも男女問わず赤い下着を身につけて過ごします。一説によると赤は古代ローマ時代に権力や富の象徴とされており、そのため縁起の良い色だと考えられていました。
イタリアではクリスマスを盛大に祝ったあとは平日が続き、大晦日の20時頃から年明けまで、時間をかけてフルコースの料理を食べます。
そして深夜0時を迎えると盛大な爆竹や花火で新年の始まりを祝い、広場ではコンサートなどのイベントが開かれて朝まで街中大騒ぎです。
そして1月2日から平日が始まります…。
5.古代ローマ人も正月を祝った
そんなイタリア人の祖先である古代ローマ人も、1年の始まりを盛大に祝っていました。
かつて古代ローマ人の新年の始まりは3月1日でしたが、紀元前153年に1月1日に改訂し、紀元前46年以降から現在の1月1日が定着するようになります。
英語の「January=1月」はラテン語のヤーヌスからきており、ヤーヌスは門や戸口の守護神、全ての始まりを司る神です。頭の前後に顔を持っており、過去を振り返り、未来に向かう姿を表しています。
古代ローマ人の正月祭りは「カレンズ」と呼ばれ、三日間、奴隷も主人と一緒に新年をお祝いしました。新年には聖なる小枝を与え合ったり、守護神ヤーヌスの顔が刻まれたナッツやコインをプレゼントしあってお互いの幸運を祈願しました。
また、新年に窓から古いものを捨て、過去の清算をして、新しい年に希望を託す習慣もあったそうです。
ナポリでは「新年を迎えるにあたり、古いものは持ち越さない」という考えがあり、カウントダウンがゼロになった瞬間、家にある古いものを窓から捨てる習慣があります。皿やフライパン、便器やタンス、なんとテレビまでもが空から降ってきます。
お正月にナポリを旅行する場合は空からの落下物に気をつけてくださいね。
日傘やハイヒールで防げるものではありません(日傘とハイヒールは空から降ってくる人間の汚物から身を守るために生まれた)。
6.ラマダン(断食)の方が大事?チュニジアのお正月
それではチュニジアのお正月を見てみましょう!
チュニジアでは国民の大半がイスラーム教を信仰している国です。イスラーム教の国では日本ほど新年を盛大に祝う文化はないそうで、チュニジアもその例に漏れません。
大晦日や元日は家族や友人と過ごし、1月2日から仕事や学校が始まります。
イスラーム教の国によっては新年を祝うこと自体が法律で禁止されていたり、熱心なムスリムほど祝わないんだとか。
イスラーム教って厳格すぎじゃない?!とびっくりするかもしれません。
けれども彼らにとって大事なのはお正月ではなく、「ラマダン(断食)明けの大祭=イード」です。
ラマダンはイスラーム暦の第9月にあたり、ムハンマドが主(神)から聖典であるコーランを授かった月です。
ひと月の間、日中は断食し、幼児や妊婦、兵士以外はお茶も口に入れない。この厳しいラマダンが終わると盛大にお祭りを開き、晴れ着を着て親戚を訪問しあってお祭りの挨拶を交わします。
子ども達にはお年玉のようなイベントもあるんだとか。
ちなみにチュニジアのラマダンは、ラマダン期間中夜になると連日お祭りのように盛り上がり、最終日の夜が最も盛大なお祭りでした。
深夜24:00過ぎ着の電車で目的地に着いた時、てっきり泣く子も鎮まる夜を想像していたら、街をあげて爆音パーティーしていたのはとても良い思い出です。
7.まとめ
世界のお正月事情は国によってさまざまですが、新しい年のスタートを喜ぶ気持ちはみんな同じですね。日本では1月4日か1月5日から仕事始めの人が多いですが、世界では1月2日から日常に戻る国も多いようです。
それではみなさん、冬こそ水をしっかり飲んで2024年も頑張りましょう!